
金 言 「教会において、またキリスト・イエスにあって、栄光が、世々限りなく、とこしえまでもありますように。アーメン。」(エペソ3:21)
説教題 「神の家族である教会」
聖 書 エペソ3:14~21
説教者 井上義実牧師
新興宗教では建物の外観で見れば、どこの団体か分かるものがあります。どの宗教の信者なのか、容姿で分かる団体もあります。キリスト教会では同じ会堂建築はまずありません。信仰者も見た目では分かりません。新興宗教では、多々にして個性は失われるのでしょう。しかし、キリスト教会も信仰者も、個性や人が生かされる場所なのです。一人一人の違いが、大切にされ、用いられその上で一つにされます。
イエス様は教会について詳しくは語られませんでした。聖書からまとまって教会について教えらているのはエペソ人への手紙です。今日は教会の一つの側面をこの手紙から受け止めていきましょう。
1)教会は神の家族
エペソ人への手紙は、教会について語られています。先ほど読んでいただいた3章15節に、「天と地にあるすべての家族の、「家族」という呼び名の元である御父の前に祈ります。」とあります。家族の創始者は人間を造られた神様です。私たちが始めに頭に浮かぶ血縁の家族がありますが、聖書は、教会は神の家族であると記しています(2:19「神の家族なのです。」)。
普通の家族は、結婚や血のつながり等、何らかのつながりがあって一つとされています。教会は、様々な人たちの集まりです。違いを数えると沢山あります。性別、年齢、職業、生い立ち、背景等、違いを考えると幾らでも出てきます。しかし、違いを超えて、一つとされるのは信仰によってなのです(4:4・5に私たちを「一つ」とするものが6つ出てきます。召し、からだ、御霊、主、信仰、バプテスマ)。
私が生まれ育った時代は3世代家族が普通でした。やがて親子2世代の核家族となり、今はさらに細かくなっているでしょう。過去、現在、未来へと世の中の環境は変わっていきます。教会は神の家族の共同体であるということは決して変わりません。教会は私たちの拠って立つ基盤となります。2月には家族を先に天国に送られた、独身の姉妹が召されました。私たちは神の家族として教会で葬儀を行い、教会墓所で納骨を行いました。
私たちそれぞれに現状は違いますが、あなたが教会の一員であるということは、教会が神の家族に対して責任を負っていますということです。誰も心配されることはありません。
2)聖霊による神の家族のつながり
神様への信仰によって、教会につながり、私たちは神の家族とされました。神の家族は何によってつながっているのでしょうか。ここから見ていきましょう。16節「内なる人に働く御霊により、力をもってあなたがたを強め」とあります。聖霊によって神の家族のつながりが深められていきます。イエス様が弟子たちに約束された聖霊が降ったことによって、エルサレムに最初の教会は創立しました(使徒の働き2章参照)。エルサレムの最初の教会の姿を見ても、信徒たちは聖霊によって心を一つにして主を礼拝し、共に歩んだことが記されています(使徒の働き2:43~47)。
聖霊は信徒たちに賜物を与え、豊かに神様に仕える者とさせ、教会の働きを進められます(コリント第一12:4~11、知恵のことば、知識のことば、信仰、癒し、奇跡、預言、霊を見分ける、異言、異言を解き明かす)。
聖霊は教会にあって、私たちを一つにし、その上で私たちを多様な働きに召されています。一つの花瓶に多くの花が活けられて美しさ豊かさが表されます。私たちは教会にあって、時と場所を同じにしながら、神様の恵みの豊かさが表されていきます。
3)イエス様による神の家族のつながり
神の家族のつながりの2番目はイエス様ご自身なのです。17節「信仰によって、あなたがたの心のうちにキリストを住まわせてくださいます」とありますように、私たちの内にイエス様は住まわれます。コロサイ1:27には「この奥義とは、あなたがたの中におられるキリスト、栄光の望みのことです。」とあります。
ローマ8:9~11には聖霊と同時に、イエス様が内におられることが記されています。教会にあって、神の家族とされている私たちは聖霊にも、イエス様にも満たされるものなのです。
ローマ8章で聖霊、イエス様に敵対するものは肉にあると言われています。神様に反して、肉に従う、肉の思い、肉のうちにあることは罪と死をもたらすとあります。しかし、御霊の思いは命と平安なのです。肉の思いを神様に明け渡していく、神様に委ねていくこと必要とされます。イエス様の十字架の血潮は肉の汚れからきよめてくださる、聖霊はそこに満ちてくださることを信じて、神様の御前に出ることが大切なのです。
例話)23歳、青年時代の証し。救われて主を喜びながらも、自分の内面と向き合った時。聖霊の豊かな注ぎに与った。
私たちはイエス様の十字架のあがないの血潮によって救いに与り、神の家族として教会に結び合わされました。私たちには、この世で子として生まれた家族があります。その上に、神の子として新たに生まれて、神の家族とされて教会で一つに結び合わされています。教会に歴史が刻まれる中で、教会を形づくる人は移り変わっていきます。神の家族がこの地上で引き継がれ、拡大していくために、イエス様による救いの恵みを証しし、ここに神の国があり、そこに神様が招いておられることを伝えていきましょう。