聖 句「イエスは十二人を呼び集めて、すべての悪霊を制して病気を癒やす力と権威を、彼らにお授けになった。」 (ルカ9:1)

説教題 「神の国が広がる」
聖 書 ルカの福音書9章1ー9節
説教者 栗本高仁師

 キリスト教会の働きは、イエスというただ一人のお方を通して、多くの人々にインパクトを与えて、その人々を通して広がっていったことを覚えることができます。それはイエス様のご計画でありました。

1)弟子たちを通して

 イエス様の使命は何度も言うように「貧しい人に良い知らせを告げ知らせるため」でした(4:18)。その良い知らせとは、あらゆる捕らわれ人を、彼らを束縛する力から解放するということです。そのような権威ある方として、イエス様は来られたのです。それゆえに、ルカはイエス様の権威を明らかにしてきました(4-8章)。特に8章ではそれをまとめるように、自然に対しても(8:22-25)、悪霊に対しても(8:26-39)、病気に対しても(8:43-48)、死に対しても(8:49-56)、権威を持っておられる方としてのイエス様が明らかにされたのです。
 しかし、イエス様はこの働きを一人でなさろうとしたわけではありませんでした。そのために12人を選び、多くの弟子たちとともに、この宣教の働きをされました(6:13, 17, 8:1)。弟子たちはここまでただ「お供をしてきた」(8:1)だけでした。しかし、ここでいよいよ次の段階へと進むのです。イエス様は彼らを「神の国を宣べ伝え、病人を治すために、…遣わされた」のです(2節)。そして、実際に彼らは「村から村へと巡りながら、いたるところで福音を宣べ伝え、癒やしを行なった」のです(6節)。
 このところを通して教えられることは、神の国は、イエス様と出会い変えられた「弟子たち」を通して広がっていったということです。そして、その弟子とは選ばれた十二人だけでなく、私たち一人ひとりであるということです。もちろん、この時と全く同じやり方(=町から町へと巡り歩き、そこにいる人たちに福音を伝え、癒しを行なっていく)ではないでしょう。しかし、私たちもそれぞれこの一週間、学校に、家庭に、社会に遣わされていきます。そして、私たち一人ひとりを通して、神の国は広がって行くことを、神様は願っておられるのです。

2)力と守りを与えてくださる

 この時のやり方とは同じではなかったとしても、やはり私たちが遣わされて行くにあたっての原則は同じであります。
 まず、前提として覚えるべき大切なことは、イエス様が弟子たちを遣わされたということです。確かに実際に福音を宣べ伝え、癒しを行なったのは弟子たちでした。しかし、それは弟子たちの働きではありません。なぜなら、彼らは遣わされた側の人たちだからです。根本的に、その働きは遣わした方であるイエス様の働きなのです。そうであるからこそ、イエス様はまず初めに「力と権威」を弟子たちにお与えになったのです(1節)。イエス様が遣わし、イエス様の働きをさせるのですから、そのために必要な力を授けてくださるのです。イエス様は私たちにも力を与えてくださいます。私たちもイエス様から遣わされていることを覚えて、イエス様からそのための力をいただきましょう。
 もう一つ覚えるべきことがあります。イエス様は力と権威をお与えになった後、具体的な指示をしています。それはまず旅に必要なものを持って行ってはならないということです(3節)。なぜこのような指示をされたのでしょうか。それは、彼らが神の守りを経験するためです。どのように経験するかというと、実際的に誰かに助けてもらうことによってです(4節)。私たちにとっても、遣わされるにあたって自分たちの力超えて働く神の守りを経験することが大切です。あれやこれやと心配し、様々な策を考える私たちかもしれません。「しかし、必要なことは一つだけです」(10:42)とあるように、私たちにとって大切なことは、遣わしてくださるイエス様にただ信頼し、委ねるということではないでしょうか。その時に、イエス様は必要を備えてくださるのです。
 
 このように神の国は、私たち弟子たちを通して、確実に拡大し続けています。その中ではヘロデのような反対者もいるでしょう。そして、攻撃をしてくることもあるでしょう(9節)。しかし、この働きはイエス様の働きであるがゆえに、決してとどまることはないのです(6-7節)。私たちはこのイエス様から力をいただき、イエス様に信頼して、私たちの分を果たさせていただきましょう。