金 言 「すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられることである。」(Ⅰテサロニケ5:18)
説教題 「感謝の花束をささげる」
聖 書 Ⅰテサロニケ5章12~20節
説教者 長谷部裕子師
昨日出かけたセミナー会場のある教会の礼拝堂の入り口に大きな色紙が掲げてありました。そこに大きな字で書かれてあったのは「一生感謝」ということばでした。その色紙を見入り自分の人生も毎日ことあるごとに感謝して送りたいと思わされました。一年を振り返る季節に差し掛かっています。どなたでも花束を受け取るのは、晴れがましく嬉しいものです。であるならば、日々あふれる恵みを与えてくださる神様に、私たちがささげるのにふさわしいものは、生花ではなく「感謝の花束」です。
もともとありがたいとは、語源は「有ることが難し」からきているそうです。つまりありがたいことは「めったにない」という気持ちが込められていたのです。その反対語は「あたりまえ」という心情です。こうなると不平不満がつのるのです。
1.分別と配慮 (12節~15節)
パウロは第二次伝道旅行の際にマケドニアに渡って、ピリピの後にテサロニケに伝道に行きました。ここで福音を信じる者が起こされたが、ユダヤ人のねたみを買い、暴動が起きたため、危険を避けてベレヤに逃れました。(使徒17:1~5)パウロは、テサロニケのことが気にかかり、遣わして戻ってきたテモテからテサロニケの様子を聞き、(使徒18:2、6)彼らを励ますために、コリントでこのお手紙を書いたとされます。パウロは手紙の中で面と向かって諭すように「兄弟よ」と何度となく切々と呼びかけています。
12~13節は、主にあって労苦している指導者を重んじて愛し敬うという分別を求めています。教会の中で意見が食い違っても、互いに平和に過ごすことを、パウロは願っていました。指導者たちが主によって任された職責が全うできるように、祈り支えたいものです。
14~15節で勧めているように、怠惰な者(秩序を乱す/聖書協会共同訳)戒め、小心な者(気落ちしている/聖書協会共同訳)を励まし、弱い者を助けなさい、とあります。教会の中は色んな立場や心の状態の人がいます。目配りをしながらその人の状態に応じて配慮してあげることで、教会は神の家族となり、愛の共同体として証しになるのです。教会のひとりひとりに感謝をして労をねぎらいたい。
2.恵みの循環 (16節~18節)
16節~18節は有名な聖句です。クリスチャンならだれもが理想に掲げたい生活です。「いつも喜び、絶えず祈り、すべてのことに感謝する。」これを私は恵みの循環と呼びました。どんなことでも感謝に変えていくことで、それが喜びに変化します。それらの恵みを祈りによって神様に伝えようとするとき、感謝―喜び―祈りは連鎖となり、生活に中で循環して信仰はスパイラルに天へ上昇していくのです。そうすればクリスチャンは一生感謝する生活を確かに送れます。生涯に絶え間なく試練が襲ってきたパウロですが、「患難をも喜んでいる。なぜなら、患難は忍耐を生み出し、忍耐は錬達を生み出し、錬達は希望を生み出すことを、知っているからである。そして、希望は失望に終ることはない。」(ローマ5:3~5)と言わしめています。パウロはいかなる時も神様の愛が注がれていると実感して、感謝―喜び―祈りという恵みの循環をくり返し体験していたに違いありません。
3.信仰の情熱 (19節~22節)
19節は御霊の自由で闊達な働きを、信仰者や教会全体がとどめてはならないことをパウロは言っています。ペンテコステでは聖霊は火にたとえられました。聖霊は火のようなパッションです。だから聖霊は信仰の情熱を保ち、聖書を正しく理解させます。御霊を消してはいけません。
20節には「預言を軽んじてはならない。」とあります。現代ではインターネットで誰でも欲しい情報がお手軽に入手でき、目新しい情報が次々に押し寄せる時代です。今やAIという人工知能が人間の叡智をしのぐ勢いで席巻しています。一方でまやかしの情報やフェイクニュースが紛れて潜むこわい時代です。だからこそ神の言葉聖書に普遍的な真理を見出すことができます。「というのは、神の言は生きていて、力があり、もろ刃のつるぎよりも鋭くて、精神と霊魂と、関節と骨髄とを切り離すまでに刺しとおして、心の思いと志とを見分けることができる。」(ヘブル4:12)偽物が横行する時代だからこそ、偶像ではなく本当の神様を選んで「すべてを吟味し、良いものはしっかり保ちなさい。」(21)と教えます。かつて罪を罪とも思わない者さえ救われたのですから、悪から離れてきよめられた聖化の歩みに前進しましょう。
(問1)感謝できることを3つ挙げてください。その理由は?
(問2)パウロはなぜ苦しみを希望に変えられたと思いますか。
(問3)あなたは聖書が誤りなき神の言葉と信じますか。