金 言 「ひとりのみどりごがわれわれのために生まれた。ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり、その名は、「霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君」ととなえられる。」(イザヤ9:6)

説教題 「クリスマスの希望」
聖 書 イザヤ9:6~7
説教者 矢島志朗勧士
アドベントの第二聖日を迎えている。イエス・キリストの誕生は、その何百年も前から預言されていた。イザヤ書は、紀元前8世半ば~7世紀初め頃に5人の王様に仕えた預言者イザヤによる書である。この時代、イスラエルは神様との約束を破った結果、懲らしめを受け、大国アッシリヤの侵入に悩まされていた。イザヤは民への叱責の言葉を語るが、やがてこの苦しみが解決することも預言する。その解決方法がイエス・キリストの誕生である。イエス・キリストがどのような方か、何をもたらしてくれるかを、イザヤの預言から学んでいく。

1.まつりごとはその肩にあり

一つの姿は「まつりごとはその肩にあり」であり、これは「主権はその肩にある」とも訳され、キリストに支配をする権威があることを指す。神の主権のすべてが明らかにされるのは終末の時であるが、私たちは先んじてそのことを知らされていて、しかも地上の歩みの中で、その主権が増し加わっていくという経験させていただける。

2.霊妙なる技士

「不思議な助言者」とも訳される。英語では「Wonderful Counselor」(素晴らしいカウンセラー)、「驚くべき指導者」という訳もある。「人は頼りにならない」「頼れるのは自分だけだ」「自分も頼りにならない」ということが人間には起こり得る。しかし信じる者には常に素晴らしいカウンセラー、助言者であるイエス・キリストが共にいてくださり、必要な知恵、助け、導きをくださるのである。

3.大能の神

「力ある神」とも訳される。聖書から私たちは神様の力を知る。世界の創造自体、とてつもなく力あるわざである。イスラエルの民を導く中で、神様はいくつもの力強いわざをされた。私たちが危険や困難に出会う時に、大能の力で守ってくださる方、困難に勝利を与えてくださる方でもある。時には「最悪」を避けるために、小さな危険を与えられることもある。また、キリストは復活の力、すなわち、私たち最大の敵、死を打ち破る力を持たれる。その力が、私たちのうちにも働いているのである(ピリピ3:10)。

4.とこしえの父

イスラエルの民はこの時代の約300年前に王を持ったが、その際に「永遠に続くもの」を求めた。「父」には「子どもたちの関心を寄せ、配慮し訓練をする」という役割があるが、そのような存在を求めた。イエス・キリストは、そのような方でもあるのである。
 人生を「裏面から見た刺繍」という風に言う人がいる。刺繍を作っている裏から見ると模様がわからず、むしろ汚くて、作成途中は何が起こっているのか分からない。でもやがて表からみると、美しい一つの模様が織りなされている。自分の人生で「なぜ」と思えることが、後になってそれが主の訓練で意味があったことに気づかされることがある。

5.平和の君

イエス・キリストが平和をもたらす方であり、その平和が限りなく続くのである。人間の罪の問題を解決し、赦しを与えて、真の平和を与えてくださる。

6.クリスマスの希望

イエス・キリストは、これらのことばで紹介されている方である。私たちの助言者であり、主権、力をもって導き、永遠に私たちに関心を寄せて養ってくださり、平和を与えてくださる方である。そしてこれらのことを「熱心に」(7)してくださる方である。この方が地上に来てくださった、そこに私たちは希望を見出す。クリスマスの本当の意味を深く、味わっていきたい。
 
(問1)「ひとりのみどりご」とは、誰を指しますか。(6)
(問2)みどりごの5つの性質を上げてください。(6)
(問3)神様は「万軍の主の熱心」によって何をしてくださいますか(7)